2006年 04月 08日 ( 1 )

政治記者たちだけで、面白がっていないか

民主党の代表に小沢一郎氏が選ばれました。きょう(2006年4月8日)の全国紙朝刊は、1面や総合面、政治面などに、今回の代表選に関する記事を多数載せています。

日本で2番目に議員数が多い政党の党首が変わったのですから、大きなニュースです。新聞が大展開するのも、もっともでしょう。

ただ、読んでいて、あまり伝わってくるものがありません。言い替えると、おもしろくないのです。なんでだろうと考えたところ、どうも記事が読者に向けて書かれていないからではないか、という気がしてきました。記事が内向き、または横向きなのです。政治の世界にどっぷりとつかっている政治部の記者が、自分たち(それと政治家、政治をメシの種にしている人たち)だけでおもしろがっているような感じがします。

例えば、〈「壊し屋」民主救うか〉(朝日)、〈「壊し屋」最後の大勝負〉(毎日)、〈破壊の人「私は変わる」〉(読売)などの大見出しをつけた記事。強権的とされる小沢氏について、民主党や政界の受け止め方などをまとめています。〈最後の機会 総力戦〉(朝日)、〈「変わる」に若手支持〉(毎日)などの見出しを掲げた記事では、小沢氏と菅直人氏が、党内でどのようなかけ引きや働きかけを繰り広げ、どのように票を集めたかといったことを伝えています。毎日はさらに、党内のどのグループの票がだれに投じられたかという〈得票の構図〉を、表にまとめて掲載しています。

こうした内容の記事も、新聞にはあっていいと思います。関心のある人は、きっとおもしろく読むでしょう。でも、そういう人がどれだけいるのかというと、あまり多くはないような気がします。

それよりも、多くの読者は、小沢氏が代表になって民主党はどう変わるのかについて、なるべく具体的に知りたいと思っているのではないでしょうか。各紙は、この日の小沢氏の演説や記者会見の内容について要旨を載せていますが、そこでの発言内容やそれに対する追加取材で得た話などをまとめ、分析や解説をしたほうが、読者としてはよっぽど得るものが多い記事になるように思います。

この日の新聞は、在日米軍の普天間飛行場の移設や、フセイン政権崩壊から3年目を迎えたイラクの内戦化、尊厳死など、政治家として考えなければならない問題についても、大きく報じています。しかし、そうした具体的なことがらと絡めて今回の代表選出を伝える記事は、ほとんどありません。

政治記事は、政治のクロウトだけにわかればそれでいい、クロウトをおもしろがらせてなんぼだ、という発想で新聞をつくっているのであれば、今回の紙面はうまくいっているように思います。政治部記者的にも、なかなかおもしろい内容になっているのではないでしょうか。

でも、政治のシロウトだってたくさん読んでいることを考えれば、そんな発想は間違いだと思います。新聞は常に、シロウトを喜ばせてなんぼ、という考え方で紙面をつくるべきだと思います。
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by tmreij | 2006-04-08 20:13 | 本紙