2005年 12月 31日 ( 1 )

番組表の特別扱いは、問題じゃない?

きょう(2005年12月31日)の朝日新聞で、ふだんはあまり眺めないテレビ欄をじっくりと見ていて、改めて違和感を覚えました。以前から何となく気にはなっていたのですが、特定の番組だけ色が変わっていて、目を引くようになっているのです。

きょうの紙面では、「今夜生でNo.1を決定!!輝け!2005年・お笑いネタのグランプリ!!」(日本テレビ、午後8時〜11時)が黄色に色づけられ、「K—1プレミアム2005格闘技史上最大の祭典Dynamite!!」(TBS、午後9時〜11時40分)が水色に着色されています。新聞紙の事務的な色に活字がびっしりと並ぶ中で、この2つの番組部分は際立っています。

はじめは、朝日新聞としてのおすすめ番組かと思いました。しかし、公器である新聞が、民放の個別番組(しかも「お笑いネタのグランプリ!!」といった内容のもの)をプッシュするというのは、ちょっと考えにくいものがあります。それに、朝日新聞が強調するのであれば、系列のテレビ朝日の番組を選ぶのが自然でしょうから、その点からも「おすすめ番組」というのは、ちょっと違うように思います。

次に考えたのは、テレビ欄のコラムで取り上げたり、小さな紹介記事を載せたりしている番組なのかも、ということでした。しかし、この日のコラムは、「紅白歌合戦」「K—1 Dynamite」「PRIDE男祭り05」の3番組を素材にしているのですが、色がついているのは「K—1 Dynamite」だけで、他の2番組は地味な新聞色のままです。どうも、紙面で紹介した番組だから、という理由でもなさそうです。

気になるので、きのうのとおとといの朝日も見てみました。きのうは「笑いの金メダル2005年総決算!!賞金400万円『笑—1グランプリ』」(テレビ朝日、午後9時〜11時25分)が、おとといは「史上最強のメガヒットカラオケBEST100」(テレビ朝日、午後6時半〜9時15分)が、ともに背景に黄色が塗り込まれ、目立っています。

そして、下のほうに目をやると……と、ここでようやく気づきました。きのうもおとといも、テレビ欄左下部に大きく派手なカラー広告が出ていて、そこで宣伝されている番組が、番組表で色付けされているのです。

で、きょうの新聞に戻って見てみると、テレビ欄左下部のカラー広告は入浴剤のものですが、中央下部に、〈TBS独占 曙vsボビー 今晩9時〉という小さなカラー広告が出ています。さらに、16、17面には2ページ見開きで、大々的な「K—1 Dynamite」の番組宣伝広告も載っています。一方、「輝け!2005年・お笑いネタのグランプリ!!」についても、テレビ欄にこそ広告はありませんが、その裏面にあたる社会面に、やはりカラーの宣伝広告が出ています。

どうやら朝日新聞は、テレビ局が大金を払って広告を出稿してくれた番組について、番組表で読者の目を引くような扱いにしているようなのです。

これって、どうでしょうか。

番組表といえども、最終的には新聞社の責任で編集・掲載しているはずですから、新聞記事といえると思います。その記事に登場する番組を、広告を出してくれたという理由で色づけし、優遇しているようなのです。

これは例えば、経済面に新車に関する記事があり、同じ車の広告も掲載されている場合、記事に出てくる車名やメーカー名などを黄色や水色に色づけするようなものではないでしょうか。きょうの紙面には、アメリカン・エキスプレスやドリームズ・カム・トゥルーの全面広告が載っていますが、もし記事の中に同社や同グループが登場した場合、そこだけ色を変えて目立つようにするのと同じではないでしょうか。

記事に着色などして目立たせるのは、読者の関心をそちらに誘導することになります。重要な点を強調したり読みやすくしたりといった、読者への配慮からそうするのであれば問題はないでしょう。しかし、もし広告を出してくれたからという金銭的な理由で特別扱いしているとすれば、記事(および読者の注意)をカネで売っているようなものです。

いまの朝日のテレビ欄は、新聞の倫理に照らしたとき、かなり危ない線を歩いているように思えます。まぎらわしいことはすっぱりと止めるか、このまま続けるのであれば、黄色や水色の着色が何を意味しているのかを読者にきちんと説明することが必要だと思います。
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by tmreij | 2005-12-31 23:53 | 本紙