2005年 12月 17日 ( 1 )

「ひどすぎる」議員をちゃんと追及すべきだ

きょう(2005年12月17日)の朝日新聞朝刊は、〈自民の質問ひどすぎた 証人喚問 武部幹事長謝る〉という見出しの記事を社会面に掲載。自民党の武部幹事長がラジオ番組で、耐震データ偽造問題をめぐって衆院が証人喚問した際の、同党議員の質問が悪質だったと認めたと伝えています。

記事は、〈(証人喚問では)自民からは渡辺具能衆院議員らが質問に立った。番組でタレントのテリー伊藤さんが、「40分間の持ち時間で33分、自分だけでしゃべっている」と指摘〉したと書いています。

伊藤氏の言うことが正しいのであれば、確かにひどすぎます。渡辺氏らは、議員としての自分をアピールできる格好のチャンスだと意気込み、何とか少しでも多くテレビに映ることを狙ったのかもしれません。そうであれば、自分の選挙のことしか考えていないエゴ丸だしの発想であって、国民の代表として偽装問題の真相に迫るという本来あるべき目的は、完全に後回し(もしくはまったく無し)なわけです。

〈党にも「質問が長すぎる」「証人に話をさせろ」といった苦情が数百件寄せられていた〉ということですが、さもありなんでしょう。武部氏も〈「喚問なんだから、相手から引き出さなくちゃいけない」と追及の甘さを認めた〉とのことですが、当然でしょう。

このように、自民党幹事長が同党議員の出来の悪さを率直に認め、国民に謝ったというのはわかりましたが、質問(といより演説?)をした当の議員は一体なにを考えていたのでしょうか。今回の記事からは、その最も気になる部分がわかりません。名前が挙がっている渡辺氏を含め、自民党議員らのコメントがまったく出ていないのです。

今回の武部発言については、読売もきょうの朝刊政治面に、〈武部幹事長「証人喚問は追及不足」〉という見出しの短信記事を載せています。こちらは朝日よりもひどく、武部氏の〈「問題を解明するために相手から聞き出さないといけなかった。本当に申し訳ない」〉という発言を紹介するだけで、批判の対象となっている自民党議員の氏名さえ書いていません。

これでは読者は、いったいどの議員がけしからんのかさえわかりません。読売としては、そんなことは少し前の新聞を読めばわかることだ、という考えなのでしょうが、わざわざ過去の新聞で調べたり、日々の動きをずっと頭に入れたりしている読者はそう多くはないでしょうから、こうした大事な情報(国会議員としての責務をはき違えているのは誰か)については、親切ていねいに書くべきです。

一方、毎日はウェブ版の記事〈耐震偽造:証人喚問「追及が甘い」 自民党に抗議殺到〉(最終更新時間 12月16日 9時01分、紙面では未確認)で、〈渡辺氏は40分の持ち時間中、30分以上を自分の発言に費やした〉としたうえで、〈「姉歯氏にもっとしゃべらせるべきだ」「なぜこの議員を質問者に選んだのか」〉などの抗議が自民党に殺到したと伝えています。

この記事には、〈渡辺氏は抗議に対して「証人喚問は事件を解明し、対応策に反映させるためのもの。面白おかしく劇場風になるべきでない」とコメントした〉とあります。ちゃんと当事者の話を伝えている点で、きょうの朝日や読売より優れた記事だといえるでしょう。質問に立った自民党議員4人全員の氏名を書いているところも、評価できます。

ただ、上記の渡辺氏のこのコメントは、ああそうかと読者がすんなり理解できるような内容だとはとても思えません。ますます、一体なにを考えているのか、という疑問が高まるような中身です。あなた何を言っているの? ともっと突っ込んで質問し、本格的にとんでもない(であろう)議員だということを、明確にしてほしいと思います。
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by tmreij | 2005-12-17 22:52 | 本紙