サラ金の「違法金利」には、新聞も加担している(2)

(きのうの原稿「サラ金の「違法金利」には、新聞も加担している(1)」のつづきです)

結果からいうと、全国紙3紙とも、消費者金融の広告は問題なしという考えでした。掲載しておきながら問題ありと表明するわけにはいかないでしょうから、当然といえば当然です。しかし、それでいいのか、という話です。

ここで、各社の見解を個別に紹介してみましょう(いずれも03年12月時点の広報担当者の言葉です)。

朝日は、「貸付利率が利息制限法の上限を超えている場合でも、貸金業規制法第43条の規定に沿ったものであれば、当事者間の自由な意思にもとづく契約と考えています」と答えました。消費者金融が繰り出すのと同じ論理を展開し、契約に問題がないのだから広告も問題ないとの立場でした。

「出資法で認めている上限年率は29.20%であり、同法の主旨、並びに貸金業規制法の規定に則って広告を掲載しています」と述べたのは、毎日です。これまた業者の答えかと思うような返事でした。

読売は、「(同社の)広告掲載基準は、日本新聞協会の広告倫理綱領などに基づいて作られているものです」と、掲載基準を持ち出し、それをクリアしているのだから問題なしとの説明でした。ただ、掲載基準がどういったものかは明らかにしませんでした。

15〜20%を超える利息は、完全に違法とはいえないのだから、それを掲げる広告を出すことも問題ではない、という理屈はわかります。こうした金利は「グレーゾーン金利」と呼ばれることからもわかるように、白とも黒ともいえないグレーなわけですから、「問題なし」と言ってしまえば、それで済ますことができたのです。

ただ、消費者金融の利用者保護を訴える弁護士らを中心に、15〜20%を超える金利は法律違反(利息制限法違反)だから、認められるべきではない、という主張がずっとあったのも事実です。

こういう状況を考えると、ポイントとなるのは詰まるところ、新聞は貸金業者の肩をもつのか、それとも借金をする人や返済に苦しむ人の味方になるのか、ということではないでしょうか。そして、少なくとも結果的には、新聞は貸金業者の肩をもち続けてきたように思います。

新聞は、「何も悪いことはしていない」と主張するかもしれません。確かに、法律に引っかかるようなことはしてはいなかったでしょう。しかし、増加が深刻な問題となっている自殺者には、借金苦が原因と思われる人が少なくありません。一方で、消費者金融の社長らは、高額納税者リストの上位にずらりと名を連ねています。新聞は弱者を見捨て、強者を支えてきたといえるのではないでしょうか。

新聞にしてみれば、広告は大事な収入源です。コンスタントに、ときに大型の広告を入れてくれる消費者金融は、大事なお得意様といえるでしょう。そうした上客をがっちりつかんでおくため、広告内容にケチをつけるようなことなどせず、出稿されたものをできるだけそのとおり載せるよう努めるのは、企業としては自然なことかもしれません。

しかし、そうした企業努力の裏には、何万人にも及ぶであろう消費者金融利用者の苦しみを、見て見ないふりをするような行為があったと言えるのではないでしょうか。一般企業であればまだ、そうした利潤最優先の考え方でいていいのかもしれません。けれど、社会の木鐸を自認する新聞社が、もうけのためには借金地獄に苦しむ人々を踏みつけ、スーパーリッチのご機嫌をうかがうようなことをしていていいわけがありません。

今回の最高裁判決では、貸金業者が15〜20%を超す金利を取ることを実質的に認めませんでした。ただ、外形的には高裁への差し戻しですから、最高裁の判断が確定したわけではありません。それをいいことに、消費者金融などは、相変わらず高金利を掲げた広告を出稿してくる可能性はあると思います。

そのときどうするか。信頼に値する新聞かどうかは、その対応に大きくかかっていると思います。

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在京テレビ局にも、違法との指摘がある15〜20%を超える金利が表示されているコマーシャルと、利息は20%以内と定める利息制限法との整合性についてどう考えるのか、聞いてみました。回答を以下に紹介します(いずれも03年12月時点の広報担当者の言葉です)。

▽フジテレビ 「当初より最高と最低の金利の明示を義務づけることで、視聴者への注意喚起を徹底しています」
▽日本テレビ 「我々がお答えするものではないと考えます」
▽TBS 「整合性をうんぬんする立場にはないと考えております。しかし、法改正等の動きに対しては注意深く見守っていきます」
▽テレビ朝日 「(利息の上限を29.2%としている)出資法の上限金利を下げる方向で法律の改正がされることが望ましいと考えます」
▽テレビ東京 「法律の整合性を判断する立場にはございません」
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by tmreij | 2006-01-15 23:58 | 本紙


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